11/6 平山素子 Life Casting -型取られる生命-

張り切ってチケ取った平山素子、見に行ってきた。

発売日の夕方にネットで予約しようとしたら、すでにラスト2枚だった。


小劇場はちっさいので仕方ないのだが。
でもダンスをせっかくLIVEで見るのなら、小劇場くらいのハコがちょうどいいとも思う。
これ以上大きいと、LIVEの醍醐味が。

もちろん満席。




1つめは男女6人。

三方に紗幕が垂らされ、下に30センチ程空けられた隙間から滑るように出入りする演出。
最初は暗転中に人数が加減し、あれ?と思う。
次にはしゅるりと身体が幕の奥に吸い込まれていく(中から引っ張ってるんだが)ようになり、さらにだんだんとその出入りは露骨になっていって、最後には自由に自分で行ったり戻ってきたりするようになる。

男1人×女2人、女1人×男2人、男1人、男1人×女1人など様々な組み合わせで各シーンが踊られる。
複雑なリフトと絡まりの連続で、ちょっと間違えたらケガするな、と思った。


それにしてもヒトのかたちって、本当に同じものはないというか。

私の眼は残念ながら、無意識に「クラシック的綺麗さ」を評価してしまうのでつい、身体や脚のラインで好き嫌いを分けてしまう。
でもやっぱり、人目に晒す以上、「綺麗」に越したことはないと思うのだ。

造形が「綺麗」な上でさらに、それ以上の気や想いを飛ばして意味があるのだと思う。
もちろん、気や想いが造形の質をカバーして余りある場合もあるけれど。


その点で平山さんの造形は比類なく素晴らしく、またその表現も気の飛ばし方も、超、一流の技術である。


2つめは平山さんのソロ。前に見た「春の祭典」の方が、迫力はあったしダンスを堪能できた。


それで今回のテーマはというと、型どられた生命、生命の形。
ナルシスをモチーフにした部分があり、むしろわざとらしいくらいに具象的かもしれない表現。
個人的にはもっと「ダンス」が好きで、露骨な表現やグロテスクさは苦手なので、大興奮!というわけにはいかなかった。

それにしても平山さんの身体はすごい。
生々しいのに脂っ気がない。
世俗を感じさせないのに超、生き物なのだ。



ヒトの身体がああいう気を発っせるなら、ぜひそうなってみたいものだが、現実の身体はそうはいかない。




ストイックでいたいといつも願いつつも、今日もビールと餃子と愛想笑いに塗れて、京浜東北線に揺られて帰る。


本当につまらないけれど、本当につまらなくはない。

そんなものかな。