09 武威編2(大雲寺・羅什塔・武威駅)

鐘楼(大雲寺)

(2012年3月のお話。前の話はこちら
15:10、西夏文化博物館を見終わって、鐘楼(大雲寺)を目指して歩く。再開発中なのか、瓦礫の積み上がる通りを抜けて行くと、空き地の中にぽつーんと佇む鐘楼を見えてきた。


入場料5元、プラス鐘楼に登るのに5元。地元の人が入るのは無料のようだ。鐘楼への階段は、おばちゃんが鍵を開けて入れてくれる。

鐘楼からの景色。遠くに黄色い如家チェーンのホテルが見える。まだ住んでる人もいる。なんとも荒涼とした光景だ。ほこりっぽいし、なんとも寂寥たる心持ちになる。

この鐘楼はもともと、西夏の時代からあるものだったらしい。旧市街の写真なんかにも写っている。ご他聞にもれず、文革の時に一度破壊され、その後再建されたもの。

何かの祭日なのか、お寺のなかには人が集まって、にぎわっていた。何の儀式なのかよくわからないが、五色の紙を燃やしたり、赤い布をかぶせてお祓いのようなことをしたりしていた。何人かの一見普通のおばさん(巫女さん?僧侶?道士?)が、腰に赤い布を巻いて、それらの儀式を行っていた。信者?に赤い布を被せて座らせ、お経のようなものを上げながら、線香の煙をかけたり、鈴を鳴らしたりして体を叩いていた。なんの風習なのだろう。


大雲寺を出て歩いていると、肉屋さんが並ぶ通りがあった。でかでかと書いてある「犬肉」の文字。このあたりでもよく、犬肉を食べるのだろうか。

さらに歩いて行くと、「再就業市場」という市場が。普通の市場のようだったが、再就職の世話をしてくれるのだろうか。ぜひ私にも斡旋してほしいところだ。

羅什塔

鐘楼から徒歩20分、羅什塔に着いた。参観無料。かの鳩摩羅什が滞在したという寺。でもまあこれだけで、特に見るものもない。


ここも『地球の歩き方 中国 西北編』に載っているのだが、この西北編は、本当に素晴らしく役に立つ本だ。中国版は地域によって数巻に分かれており、それぞれ内容の粗密や趣が、若干異なる。この西北シルクロード編は、本当に歩き回った方が書いているらしく、ものすごく具体的で有益なことが書いてあったりする。ガイドブックの中身なんて、実際に現地に行ってみると、なんだ違うじゃん!ちゃんと書いとけよ。と思うことが結構あるのに、この巻はむしろ、非常に裏付けのあることがしっかりと書かれていたりして、素直に「ありがとうございます!役立ちました」と思える。


夕食には炸醤麺(7元)を食べた。そして明日の列車切符を手配すべく、バスで駅へ行ってみる。

明朝の蘭州行きは無座切符(47元)しか買えなかった。一応切符は買っておいて、長距離バス乗り場にも行ってみる。発車時刻を確認すると、

西寧行きもあることが分かった。自分の計画では、まず蘭州に戻り、そのあと西寧行きに乗り換えて…と考えていたのだが、武威から直接西寧に行くこともできるようだ。ただしその距離362キロ、5〜6時間はかかると思われる。70元。武威−蘭州は281キロ。武威から祁連山脈の間を抜けて、直接西寧に通じる道があったはずだ。
しかし今回は、蘭州から銀川に向かう列車切符を確保するため、蘭州に寄りたい。青海西寧から甘粛夏河へ抜けて、蘭州に戻り、その後は寧夏銀川を目指すつもりだ。ちょっと効率が悪いが、列車切符の確保を最優先することにして、明日朝はバスで蘭州へ向かうことにする。無座の列車切符は、この際破棄。駅まで行けば払い戻ししてくれるが、いかんせんその体力がない…。旅行はまだ5日目だが、毎日フルで動いているので、だいぶ疲れてきた。ちょこちょことした移動が多いせいもある。47元はもったいないが、それより貴重な、体力確保を優先せざるをえない。もう若くない…。

武威から蘭州へは、30分おきくらいにバスが出ている模様。切符売り場で「明日の切符を買いたい」と言ってみたが、「明日のは明日にならないと売れない」と言われる。ターミナルによっては売ってくれるとこもあるが、当日以外の切符は売ってくれないところも、結構ある。


翌朝06:00起床。ホテルのバイキング朝食を食べ、7:45チェックアウト。