NEO BALLET×ニジンスキー @さいたま芸術劇場

バレエ・リュス100周年記念と銘打ったこの公演。
西島千博さん率いるガラコンサート。


19時開演、22時20分終演。
かなり長くて、最後のプログラム「春の祭典」半ばで、尻の痛さが限界に達しました。


以下に書きますのはですね、感想です。好みの問題です。
評価云々ではありません。あしからず。




オープニング「牧神の午後」。
西島さん振付、出演も西島さん。曲はドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」。
舞台中央に、ブラインドの閉まった窓、その左にソファがひとつ。白いシャツ、ジーパンの男が、何かを求めるように、窓の外の光を覗きつつ、部屋の中と思われる空間にいる。男は羽ばたきたくて、外に向かいたくて、でもそれがままならない葛藤の中で悶えている。しばしの暗転の後、舞台上部から一枚の白い布が降りてくる。それを掴んだ男は、何かを得たのだろうか。


これは全く好みの問題だけど、私はイマイチでした。羽ばたきたいのは分かるし、そのモヤモヤを表現したいんだろうけど、なにもこの曲でやる必要ないだろうと。ドビュッシーの官能的なまどろみ感が活かされていない。と。


2 レ・シルフィード
秋元康臣さんがとってもノーブルで、日本人男子とは思えない手足の長さ。もっと踊りを見たかったけど、レシルではあまり見れず、残念。昼間のプログラムAでは薔薇の精をやったようなので、それ、見たかったー。


6 遊戯 中島周・北川優佑・竹田純
これはニジンスカの原振付ですが、西島さんによって改訂されているようです。中島周さん、よかった。さすが。竹田純さんがとってもいい味出してました。このあとに見たクラシックより、ずっと生き生きしててよかったな。存在感もあったし。


10 ライモンダ。西田佑子・横関雄一郎。
ソリストは、さすが。気持ちのよいライモンダでした。今回のプログラムの中では、珍しくきちっと力の入った踊りで。


ちなみに話が逸れますが、ライモンダといえば最近感動した動画を一つ。

吉田都さんです。ただのパッセが、こんなに神々しいなんて!!


11 黒鳥グランパ 松岡梨絵・橋本直
K-BALLETのお二人。すてきな黒鳥でした。


13 ナルシス。松崎えり・青木尚哉。
これは完全にコンテのプログラム。しかし、個人的には今回の一番の収穫です。青木さん。Noismにいらっしゃったダンサーだそうです。完全にツボ。最っ高の身体の使い方です。なんのストレスもなく、すみずみまで行き渡る力、重力、脱力。うおー。絶対にまた見たいダンサー発見。


そしてそしてそして
15 春の祭典 ニジンスキーへのオマージュ
ソリスト秋元康臣・伊藤範子・上山千奈・児玉麗奈・柴田有紀・邵智羽・中島周・中村誠・吉本真由美・西島千博
どうしてこのプログラム+αだけで、公演うてなかったのだろう?と。ここまでであまりに疲れてしまっていたので、もったいないと思いました。せっかくの作品なのに。
しかしながらこの作品も、本当に何というか、ストラヴィンスキーの力でかなり盛り上がったんですが、途中でその勢いをぷちっと断ち切られまして、その後結局もう最後まで盛り返せなくて、なんだか不完全燃焼です。もったいないです。群舞のパワーは確かに感じましたが、ソリストの使い方がもったいなくて、特に中島周さんあたりは、もっともっと浮き出てきてもいいはずなのに、なんだかもー。て感じでした。結局、どこが焦点だったのか?何がメインのストーリーだったのか?ばらけすぎていて、よく分かりませんでした。
構成も、ベジャールベースでピナ・バウシュ風味、現代風スパイスを少々・・・みたいな。曲のパワーに全力でぶつかったのはいいけど、砕け散って、結果、もうよくわかんない。みたいな。
いやでも面白かったですよ?パワーは感じたし、最後のシーンで舞台奥のスクリーンまで全開で、奥行きをバーンと使った演出とか。
だからこそ、もったいないと思いました。


次回に期待。
かな。。。