浅田次郎『中原の虹』
『中原の虹』全4巻読了。いやはや、『蒼穹の昴』4巻、『珍妃の井戸』と併せ全9冊の長きにわたる物語でした。でも中だるみすることなく、一気に世界に浸れた感じです。
しかも今回そのほとんどをこの大陸にて読めたことは、なかなか感慨深いものです。舞台は北京、天津、そして東北地方。東北は未踏なので、近いうちに(もう少し暖かくなったら)絶対に行こうと思います。
なんといっても梁文秀、玲玲、春児、春雷の熱い思いと悲しい運命と人間模様に号泣です。最後の一巻も、鼻水すすりながら読み終わりました。
故宮ももう一度行かねばと思っている場所の一つです。写真は9月に行ったときのもの。
この太和殿の龍陛、(劇中で)皇帝たらんとした袁世凱が登った場所ですね。
浅田氏が大好きで、劇中に何度も登場する順治帝筆「正大光名」の扁額。乾清宮にあります。左右の対聯は乾隆帝の筆。
またここは乾隆帝の時に作られた円明園。
カスティリオーネの設計による西洋庭園。劇中ではカスティリオーネは、乾隆帝の密命を帯びて龍玉に関する大事な仕事を果たします。
前門にある京奉鉄道正陽門東駅の跡。
北京ー奉天をつなぐ鉄道の駅舎跡。現在は鉄道博物館が建てられています。
天津の租界跡にある元横浜正金銀行の建物。
そもそも明清時代の歴史には疎かったのですが、9月に北京に来て以来、色んな史跡を見て回りました。『蒼穹の昴』シリーズの影響も手伝って、おかげで随分、明清に対するイメージが立体的になり面白くなってきました。本当はもっと近現代史に親しまねばならないと思ってはいるのですが。。。
次はなんとしても満州の地、瀋陽(奉天)に行って、瀋陽故宮、永陵などを見たいと思います。
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