嘉峪関編・1

交通賓館

 蘭州からの列車で、早朝6時半に嘉峪関駅に到着。『歩き方』に載っている雄関賓館に言ってくれ、とタクシーのおばちゃんに告げると「雄関賓館より、向かいにある交通賓館の方がいいよ」と言われ、言われるままに交通賓館へ。雄関賓館は覗いてないので、値段は未確認。交通賓館は標準間(ツイン)で168元。朝食はつかない。新華中路と蘭新公路の交差点西南角、近くに大きいスーパーもあり、立地は悪くない。この田舎町にしてはいい方のホテルだと思う。

 ホテルまで連れてってくれたおばちゃん運転手に、タクシー1日チャーターの料金を尋ねてみる。明日行きたい場所はタクシーでないと行けないのだが、どうせチャーターするなら女性の運転手の方が安全かも、と思い携帯番号を聞いておく。

魏晋壁画墓(新城墓群)

 1時間ばかり寝て朝8時、おばちゃんに電話して頼む。約束の9時半にホテルに来てくれたのは、おばちゃんともう1人のおっさん。どうやらおばちゃん本人ではなく、このおっさんの方が今日つきあってくれるらしい。値段と行き先の説明の間は、おばちゃんもいてくれた。というかおっさんの標準語が訛りまくっていて聞き取りにくいのだ。
 交渉成立、魏晋壁画墓・長城第一墩・黒山岩画・嘉峪関の4箇所で300元、と相成った。『歩き方』によると相場は200元くらいなので、多分ぼられている。でも辺鄙な場所かつオフシーズンなので、変に値切って反感もたれてもやだなーと思い、そのままにした。しかし行ってみてわかったのだが、いずれの場所もそんなに遠くない。例えば魏晋壁画墓は、嘉峪関市中心から30分程度で着く。まあ行ってみないとわからないので、仕方ない。お昼ご飯替わりの水とお菓子を買い込んで乗車。

 10時、魏晋壁画墓到着。ゴビ(砂礫砂漠)のただ中にある。入場料は学生(半票)で16元、普通は多分30元。今回の旅も、ほんと学生証様々である。おかげで随分、旅費が浮いている。場所によるが、日本の学生証でも有効な場合も多いので、出してみる価値はある。入口から車で2分ほど走ったところに、壁画墓の実物があって、鍵を開けて中に入らせてくれる。中は写真NG。ホントに保存がよくて、とてもきれい。鮮やかな色が残っている。当時の貴族の日常、食事などの風俗が描かれている。70年代に13基ほど発掘されているはずだが、見れるのは1基だけ。磚室墓がまるっと見れるので、なかなか面白い。これが復元でなく(修理はしてると思うけど)、そのまんま残っているというのだから、すごい。

入口付近に博物館があり、彩色された木棺や出土遺物がある。ここの出土遺物は、嘉峪関景区内の長城博物館や、蘭州の甘粛省博物館にも展示されている。

万里長城第一墩

 魏晋壁画墓から40分。墩は物見台のこと。明代万里の長城の最西端にある物見台。嘉靖年間に築かれた。
通票(セット券=嘉峪関・長城第一墩・懸壁長城)が学生券で50元。通常は120元。

また、墩から北に向かって長城が展びている。漢代にせよ明代にせよ、右側が「中華」であり左側が「夷狄」であったと思うと感慨深い。

 墩の南側には討頼河が流れていて、絶壁になっている。その討頼河を真上から見下ろせる施設が併設されている。足下がガラスになっているのだが、ものすごい高さで、怖い。


続きは嘉峪関編・2で。